あたし、脱ぎます!《完》


「すぐに折り返し、電話します。

待ってもらって良いですか?」



「うん。頼むよ」と

真鍋さんは
申し訳なさそうに言った。



真鍋さんは全然悪くない。


芸能界で
頑張ると決めた以上、

こういうことがあって
当たり前だ。



でも淳平くんに

何て言えば良いのかな……。



電話を切ったあたしに

「真鍋さんが何だって?」と

心配そうに
尋ねる淳平くん。



あたしの顔から既に
笑顔は消えていた。


だって、

ここまで来て、

戻って来て欲しいなんて……

悲しいよ。



「どうした?
何か良くないこと?」



「うん……」



「もしかして……、

今から来いって言われたとか?」



顔を上げ、淳平くんを見つめる。



「気にするなって。

また違う日に
来たら良いだろう?な??」



あたしの頭に手を乗せ、
クシャクシャと撫でた。






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