あたし、脱ぎます!《完》
嫌な顔一つしない淳平くんに
あたしは涙が込み上げた。
普通の男の子だったら、
ガッカリした顔ぐらいするよね。
でも淳平くんは、
気にしているあたしを
逆に慰めてくれる。
あたしたちは、
反対側のホームから来た電車に乗り込み、
窓から見えるお城を眺めた。
さっきまで
期待に胸が膨らんでいたのに、
遠ざかるお城に
どんどんと
テンションが落ちて行く。
電車の中では
必要以上に
言葉を交わすことはなかった。
ごめんね……
淳平くん。
そして
優しい言葉をかけてくれてありがとう。