あたし、脱ぎます!《完》
「まだ、
そこまでは考えてないです。
特に
やりたいこともなくて……」
「そっかぁ。
俺、東京の大学に
推薦で行くことが決まったんだ。
冬休みに入った日に、
合格通知が届いてね。
受験勉強から解放されたよ」
穏やかな笑みを浮かべる
淳平くんに、
今度ギュッと
締め付けられる
胸の痛みを感じた。
淳平くんが卒業したら、
あたしも
この恋から卒業しようと決めている。
その時期が
近付いているだ……と
実感したのだ。
「今度、
佳代ちゃんと
東京に遊びにおいでよ。
理も
東京の専門学校に行く予定だし」
理くんが
美容師の学校に行くことは
佳代から聞いていた。
坊主頭に
ファッションなんて
無頓着だった理くんが
美容師なんて……、
でも応援しなくちゃね。
「東京は
二回しか行ったことがなくて。
でも今度遊び行ったときは、
案内してください」
「うん。
それまでには色々調べておくよ。
……そうだ。
じゃメアド教えてよ」
……え?
淳平くんと
メアドの交換が出来るの?!
一瞬真顔になるあたしを
「?」という顔で
覗き込む淳平くんに、
「あ、あ……はい」と
慌ててポケットに手を入れた。
ケータイを
取り出そうと視線を落としたとき、
淳平くんの手元の雑誌に
目が留まった。