あたし、脱ぎます!《完》



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さっきよりも雨が強くなる。


ディズニーランドに
行っていたら、

間違えなく
びしょ濡れなっていた。



「萌香ちゃんのCMが決まったよ♪」



事務所のドアを開け、

喜びに満ちた声を上げる
真鍋さんに

「ホントですか?!」と
事務の佐藤さんが駆け寄った。



「萌香ちゃんも良かったわね!!」



佐藤さんは
冷蔵庫を開け、

コップにお茶を注ぎながら、
あたしに言った。



「はい……。
突然で……、

ちょっとビックリしています……」



出来るだけ
明るく答えるが、

誰だって分かる。


テンションが低いこと。



「どうしたの?
嬉しそうじゃないわね。

何かあったの?」



佐藤さんが
テーブルにお茶を置きながら言った。



真鍋さんは黙ったまま、

デスクの上で
書類を広げ、

パソコンと見合っている。



淳平くんと
電話を切った後、

真鍋さんが
“大事な話”と言って、

車を路地に停めた。


テールランプを
点灯させ、

シートベルトを外す。

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