あたし、脱ぎます!《完》

夏の終わり*淳平side*



淳平side



萌香に
俺は必要なんだろうか……。



夏の終わりを
知らせる匂いがした
8月下旬、

そんな疑問が浮んだ。



ディズニーランドに
行けなくなったあの日を境に、

萌香の仕事量は一段と増え、

メールが
「今、仕事が終わった」と

23時ごろに入る日々だった。



同じ東京にいるのに、

仕事で忙しい萌香とは
全く会えていない。

こんな状況に
もどかしさが募っていた。


こんな気持ちでは、

バスケに集中することも出来ず、


「桐谷、
プレーにキレがないぞ!!」と

先輩から
注意されるようになった。



自分でもシュートが決まらず、
気持ちばかり焦る。



萌香に会いたい……。



俺が萌香に会えるのは、
コンビニに並ぶ雑誌の中だけ。

これじゃ
ただのファンと一緒だと思った。



ケータイのディスプレイに
萌香の名前を出してみる。



「逢いたい」と
言って良いのだろうか?



忙しい萌香の
邪魔は出来ないと
ケータイを閉じたとき、

ブルブルとケータイが鳴った。







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