あたし、脱ぎます!《完》
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海岸線を走る車から
太陽が
乱反射する海が見えたとき、
「おお!」と
声が上がった。
「俺、海に来たの、
3年ぶり!!
やべぇ
テンション上がってきた!!!」
理の声に
「マジ?」と声を揃える2人。
俺たちのように
山梨に住んでいる奴は、
海に行く機会がない。
日帰りで行ける気軽な場所ではなかった。
「な?
淳平、テンション上がるな!」
「海なんて、
俺も久しぶりだから、
楽しみだよ」
都内から
ここまでの車中、
運転手以外は
ぐっすりと眠っていた。
酒の匂いが
充満する車中で
眠れるか心配だったが、
気が付くと夢の中にいた。
理とは
近況報告が出来ていない。
でも理とは
言葉がなくても見えて来るものがあった。
理は
今、とても輝いている。
充実している。
自信を持って生きている。
表情や声から
伝わって来るものがあった。