あたし、脱ぎます!《完》
「今日、
海に来て良かったな!!」
半分ほど
飲みほした理が、
俺の背中を
思いっきり叩いた。
「痛てぇな!!
……あぁ、そうだな!!
今日は誘ってくれてありがとうな」
「淳平のことは
何でも分かるんだよ。
寂しい思いをしているんじゃないかって」
水平線を
眺めながら呟く理に
「え?」と振り向く。
「萌香ちゃんと
あんまり会えないんだろう?」
「……あぁ」としか
答えられない。
「コンビニに行ったら
萌香ちゃんの載った雑誌ばっかりだよな。
淳平は真面目だから
付き合った女以外とは遊ばないし、
一人で過ごしていると思って、
今日は誘ったんだ」
連絡が取れず、
イライラしていた自分が恥ずかしくなった。
理は離れていても、
俺がどんな心境なのか、
察してくれていた。
そして
一人で悩んでいる俺を
海に連れ出してくれた。
親友って
言葉が無くても、
分かり合えるものなのだ。