あたし、脱ぎます!《完》
「もしもし?」
「萌香?こっちだよ!!」
電話越しの淳平くんの声と、
どこからか聞こえて来る
淳平くんの生声。
あたしは首を左右に振り、
淳平くんを探すと、
「こっち〜!」と
手を振る姿を発見した。
ニコニコと微笑む淳平くん。
何だかとっても懐かしい。
あたしは
ケータイを持ったまま
「淳平くん♪」と駆け寄った。
そして思いっきり、
胸に飛び込んだ。
温かい。
とっても温かい。
この温もりを
ずっと感じたかった。
「ほら〜萌香〜。
人が見てるよ〜」
照れる淳平くんの声が
頭の上で響いた。
「あはは♪ごめん」
笑いながら、
また淳平くんの胸に顔を埋める。
あたしたちは、
代々木公園で
のんびりしようと企画していた。
代々木公園の中にある出店で
フランクフルトや焼きそばを買い、
太陽に照らされた
青々とした芝生の上に腰を下ろした。
「俺、ちゃんと
レジャーシートも持ってきたよ。ほら」
淳平くんは鞄から取り出し、
サッと広げた。
ホントは女の子が
気づかなくちゃいけないことなのに。
あたし、
甘えっぱなしだな。