あたし、脱ぎます!《完》
君の邪魔に*淳平side*
淳平side
“どうしよう”
そんな言葉しか
浮かばなかった。
萌香が
写真に撮られた。
俺の存在が
萌香の芸能活動の
邪魔になってはいけない……、
そう思っただけだった。
男の頭から
流血している様子を
呆然と眺めていると、
遠くのほうから
救急車の音が聞こえた。
“俺、ヤバいことしたんだ……”と実感する。
救急隊が
タンカーを抱えながら、
こちらに向かってきた。
そして
周りの人だかりに
「離れてください!!」と
声をかけ、
流血している男をタンカーに乗せた。
「あの?
この男性のお知り合いですか?」と
救急隊が声をかける。
「……いえ、違います。
ただ……、
俺が……」
うまく答えることが出来ない。
「とりあえず、
一緒に来てもらえますか?
事情をお聞きしますので」
救急隊は
俺も一緒に救急車の乗ることを
指示した。
俺は言われるまま、
押し込まれるように
救急車へ乗り込んだ。