あたし、脱ぎます!《完》


「萌香ちゃんが
近くの喫茶店で待ってるから、

そこへ行こうっか?

君のことを心配しているから、

会ってあげて欲しいんだ」



真鍋さんは
飲みほした缶を

ゴミ箱に投げ捨て、
歩き出した。



俺もすぐに立ち上がり、
その後を追った。


そして車に乗り込み、
無言のまま走り出した。



「あ、そうだ。

これ、僕の名刺だから
一応渡しておくよ。

下のアドレスに
淳平くんの連絡先を送ってもらえるかな。

何かあったときのために」



真鍋さんは
後部座席にいる俺に名刺を渡した。



「はい」と

受け取る俺は、


『代表取締役 真鍋慶』の文字に


改めて
凄い人なのだと実感した。



俺はまだまだ子供だ。


自分の行動に責任も取れない。


誰かに助けてもらわないと、

生きていけないのだ。


俺はケータイを取り出し、

真鍋さんのメアドに
自分の連絡先を送った。







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