あたし、脱ぎます!《完》
「あの、
今、連絡先を送っておきました……」
「ありがとう。
今日のことは
本当に気にしないでね。
逆に萌香のこと
守ってくれてありがとう。
写真が流出するのを
食い止めることが出来て良かったよ」
運転する真鍋さんは
俺を元気つけようとしているのだろう。
だが、俺は
「はぁ……」と
気の抜けた返事しか出来なかった。
俺は萌香にとって、
本当に必要なのだろうか?
午後の太陽が
規則的に並ぶビルの窓を反射して、
キラキラと光が帯びている。
車の窓から見える
そんな光景に
海で言われた
理の言葉が脳裏を過った。
“萌香を守る”
俺は萌香のことを
守ることが出来るのか?
俺がいないほうが
こんなことにもならなかったので?
もし、
萌香の邪魔になるなら
身を引くことが
正しいのかもしれない……。