あたし、脱ぎます!《完》


恐る恐る電話を手に取り、

「はい」と出ると、

「萌香?
今、大丈夫?メール見た?」と、

落ち着いた淳平くんの声が聞こえた。


まずは
今日のことちゃんと
お礼言わなくちゃ。



「大丈夫。
連絡遅くなってごめんね。

あと、
今日は守ってくれてありがとう」



「いや。

こっちこそ、
迷惑かけることになってごめん」



「ううん。
淳平くんは気にしないで。

真鍋さんも
淳平くんのこと男らしいって誉めていたよ」



「そっか。
でも今回は
俺の不注意だったと反省している」



正義感溢れる
優しい淳平くんは
相当気にしている。


あたしが
グラビアアイドルをやっているから、
こんなことになっちゃったのに……。


淳平くんごめんね。



「……萌香?あのさ」



淳平の声色に変わり、

これから
重要な話をすることが分かった。


あたしは
返事するのが怖くて、

無言のままだった。


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