あたし、脱ぎます!《完》
「今、
思っていることを
聞いてくれる?」
「……ぁ、うん……」と
聞き取れないほどの
小さな声で返事をする。
「思ったんだけど……。
俺の存在って
萌香の邪魔になってると思うんだ」
「え?」
淳平くんの存在が
邪魔になる訳がない。
淳平くんがいるから
頑張れるんだよ。
淳平くんが居たから、
やりがいを見つけることが出来たんだよ。
淳平くんが大好きだから、
今のあたしがいるんだよ。
そんな思いも
声にならず、
淳平くんの話を
電話越しに聞くしかなかった。
「萌香はこれからどんどん有名になって行くと思うんだ。
事務所の人にも守られて、
ファンの人からも応援されて、
活躍の場が広がって行く」
何の反応も出来ず、
頭の中に
言葉が吸い込まれて行く。