あたし、脱ぎます!《完》
「雄介!!
ちょっと!
どこに行くの?!」
何も言わない雄介は、
学校と
逆方向を歩き出した。
「どこに行くの!?ね?!」
すれ違う生徒が
不思議そうに見ているのが分かり、
顔を隠した。
強引に
引っ張る雄介は、
学校から少し離れた
川沿いの公園に辿り着くと、
歩くスピードを緩めた。
「雄介、手、放して……」
あたしの声に
雄介は
「あぁ」と腕を離した。
「雄介は
昔から強引なんだから。
子供の頃からずっとだよ」
「そうだな」と
素直に答える雄介。
いつもなら
「うるせぇ」とか言うくせに。
あたしたちは
川沿いに設置してあるベンチに
腰を下ろした。
「あぁーあ。
二学期初日なのに遅刻だよ。
ヤバいよ」
「うん。ヤバいかも」
「人ごとみたいに言ってぇ!」と
雄介の腕を叩いた。
あたしはケータイを確認すると
佳代から
「今日から学校でしょ?」とメールが入っていた。
そのまま
カバンに戻し、
雄介の横顔を見る。