あたし、脱ぎます!《完》


「ね?
あたしって負担になのかな?」



「桐谷先輩の気持ちも分かる。

でも
桐谷先輩は
萌香の彼氏としてやって行けないって
逃げ出したんだ」




雄介の言葉が胸を突き刺す。



淳平くんは
逃げだしたわけではない……と思いたい。


でも
グラビアイドルのあたしとは
付き合って行けないと言ったのは事実。


何が正しいのか、

もう分からない。



「萌香のことを
もっと理解出来る奴がいる……

はず……」




言葉を濁す雄介は
下を向いた後、

あたしに向き返った。



「な?」


「何?」



ジッと見つめる雄介と目が合う。



「俺のこと、

男として見ることは
出来ないのか?」



「え?何、言ってるの?」



「真面目に答えろ」



真顔の雄介は
あたしの視線が逃げないように、

鋭い目つきをしていた。






< 310 / 383 >

この作品をシェア

pagetop