あたし、脱ぎます!《完》



「良いよ。

でも失恋を癒してくれるのは
新しい恋だよ。

……萌香のことを
想ってくれる人が

他にいるんじゃない?」



「え?」



「私、気付いていたよ。

雄介くんが
萌香のことが好きだって。

だから
もう諦めようと思ったんだ。

文化祭のとき、
萌香のこと
じっと見つめながら
歌っている雄介くん、

凄くカッコ良かったし」



下唇を噛む佳代に
何て答えたら良いだろう。


佳代に
辛い思いをさせていたんだね。



「佳代……。

雄介のことは……、
ごめん」



「萌香が謝らないでよ。
別に悪いことしてないでしょ!

私は
今、小柳くんに
夢中なんだから。

気にしないで!」



いつもの佳代に戻り、

あたしたちは
顔を見合わせて笑った。



友達が好きな人を
紹介してくれるって嬉しい。

うまく行くように応援しなくちゃ。

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