あたし、脱ぎます!《完》
学校の最寄り駅から
少し離れた繁華街で、
あたしと佳代は
小柳くんを待っていた。
大きな通りの
入り口には
色とりどりの
制服姿の男子や女子が
待ち合わせをしている。
ここにいると、
中学の同級生に遭遇することもあった。
「あ!来た」
佳代の声が一瞬変わり、
瞳の中がキラッと
光ったように見えた。
「小柳くん♪こっち〜!」
キョロキョロする男の子が
佳代の声に反応して、
振り返った。
そしてあたしたちに気付くと、
こちらに近づいてきた。
「ゴメン。遅れちゃったね」と
言う彼は小柳元樹(コヤナギモトキ)くん。
背はそれほど高くはないけど、
ガッチリした体格に
坊主頭が似合っている。
そして笑うと優しい顔になり、
癒し系な雰囲気が漂っていた。
「小柳くん、
こっちが私の友達の萌香だよ。
雑誌で見たことあるよね?」
佳代は
あたしのことを話していたようで、
小柳くんは
「あ〜!」と
すぐに納得していた。