あたし、脱ぎます!《完》



カラオケが終了すると、

お店の前で
佳代と小柳くんが

お互いの歌声を
褒め合っている姿があった。


あたしは
このまま退散したほうが良いね。



「あたし、
ちょっと用事を思い出したから、
先に帰るね。

2人はご飯でも
食べて帰りなよ」



「え?
萌香ともっと話したいな」



名残遅しい声を出す佳代。



「うちらは
学校でも話せるでしょ。

今日は小柳くんと遊びなよ。

小柳くんも
佳代のこと……宜しく」



意味ありげに言うと、

「あ、はぁ…」と

恥ずかしそうに
頭を掻いた。



2人と
駅の改札口で別れ、

改札を抜けた後、
振り返ってみると、

肩を並べながら
談笑している姿があった。



これで
佳代が付き合うことになったら
嬉しいな。


< 330 / 383 >

この作品をシェア

pagetop