あたし、脱ぎます!《完》



「佳代、ごめんね。

小柳くんに
少しでも勇気を持ってもらいたかったから」



「ううん。
萌香のお陰で
付き合うことが出来たんだもん。

本当にありがとう!!」



初めて出来た彼氏に

佳代は幸せいっぱいに声を上げた。



佳代と
電話を切った後、

あたしはクローゼットを開け、

閉まってあった
淳平くんのバッシューを取り出した。


ズッシリと重みのある
バッシューを両手で抱える。



「淳平くん……」



声が出てしまうあたしは、

自分の気持ちを再確認する。



……やっぱり

あたしは

淳平くんが好きだ。



淳平くんの温かい手も、

低いけど
遠くまで遠い優しい声も、

そして
あたしの未来を
気遣ってくれる優しい性格も

すべてが大好き。


会いたい。会いたいよ……。



親友の恋に影響され、

自分の恋の傷に
敏感になってしまったみたい。



あたしは
淳平くんとやり直すことで

頭がいっぱいになっていた。


淳平くんと
やり直すためには、

現状を変えるしかない。

やはり…

もう…


グラビアアイドルを辞めるしかないのだ。





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