あたし、脱ぎます!《完》
ホームで
電車を待っていると、
下り電車が入ってきた。
「雄介、
あたしこっちの
登り電車だから、
また学校でね。
始発に
乗り遅れないでね」
「おお!分かった。
社長さんにも
お礼言ってくれよ!
あと……
俺、
……音楽は
辞めないから安心しろ!
やっぱ音楽が好きだし!!」
「うん。
それ聞いて安心した」
雄介は
電車の乗り込むと
ドアの窓越しに
あたしを見ながら
「ばーか」と口を動かした。
雄介を乗せた
電車は走り出し、
すぐに
姿が見えなくなった。
相変わらずの雄介。
でも
音楽は辞めないと言ってくれて安心した。
今日のことは
落ち込むけど、
辞める必要なんてない。
好きなことを
続けて行くことに、
誰も反対なんて出来ないから。
それに
好きなことをやっている時が、
一番輝ける時間だから。