あたし、脱ぎます!《完》



「無理をすることはないよ。

嫌だったら、
今入っている仕事が
終了したら、

芸能界を引退しても良い。

この世界は
向き不向きがあるからね」



「………」



「ただ、
今日来ている
ファンの人たちには、

笑顔で答えてあげて。

遠くから
萌香ちゃんに会いに
来てくれている人もいるんだ。

その人たちの
期待を裏切ったらいけないよ。

それに
今日のファンの人たちの
顔を見て、

今後も続けて行くか、

それとも
引退するか……

決めても良いと思うんだ」



真鍋さんの言葉に頷き、

ゆっくりと顔を上げた。



「あぁ。
メイクが剥がれちゃったね。

ERIさんが
帰ってきたら、

仕上げて貰わなくちゃね」



真鍋さんは
何事もなかったように

笑いかけてくれた。

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