あたし、脱ぎます!《完》
「それでは
登場していただきましょう。
永井萌香ちゃんです!!
どうぞ!!」
大きな拍手が
沸き上げる中、
あたしは飛び出した。
「こんにちは!!!」
真っ白な光が
あたしを照らす。
そして
割れんばかりの拍手の中、
あたしは
会場全体を見回し、
マイクを持った。
「はじめまして。永井萌香です。
今日はイベントにお越しいただきまして、ありがとうございます」
一礼すると、
「モエモエ!!」
「モエちゃん」と
掛け声が響く。
イベントスペースに
並べられた椅子はすべて埋まり、
後ろや脇のほうには、
立ち見の人もいるほど、
熱気に満ちた空間と化していた。
そして手書きで
「萌香ちゃんLOVE」と
プレートを持っている人や
手作りの団扇を持っている人もいた。
ここには
一体、何人の人がいるのだろう?