あたし、脱ぎます!《完》

彼女の影響力*淳平side*


淳平side



「おおお。すげぇな。

みんな
萌香ちゃんのファンなのか?」



8階の
イベント会場に
繋がる階段で、

理は目を
キョロキョロと動かした。


俺たちは
2階に繋がる踊り場に居た。


前にも後ろにも
長い列が出来ている。


目的は一つ、

萌香に会うことなのだ。



「お前が
萌香ちゃんの元彼だって知ったら、
皆、嫉妬するだろうな?」



悪戯するガキのような顔で言う理を

「うるせぇ」と
頭を叩き、

誰かに聞かれなかったか、
周りを見回した。



とりあえず
大丈夫なようだ……ふぅ。



それにしても、
萌香の人気は

すげぇと改めて実感する。


雑誌の表紙を飾っている回数と

ファンの数が比例している。



このイベントに来たのは、

ある理由があった。


先日、
萌香の事務所の社長、
真鍋さんから電話があった時、

萌香の状況を聞かされたからだ。

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