あたし、脱ぎます!《完》



「今日は淳平くんが来てたね」



「はい。
あたしも驚きました。

でもどうして来てくれたんだろう」



「今日の仕事は
これで終了だから、

もう少ししたら外に出よう。

そしたら
淳平くんに会いに行って良いよ」



真鍋さんは
あたしの肩を叩くと、

会場スタッフの挨拶に向かった。



あたしは
ケータイを開くと、

「DVD発売おめでとう!」と

佳代から
メールが届いていた。


そして
添付してある画像は、

小柳くんとのラブラブツーショットだった。


周りに
ハートが飛んでいるような
幸せ2人。


佳代の良さを分かってくれる人が現れて良かった。



あたしは
消すことが出来なかった
淳平くんの名前を出した。


電話をかける
勇気がなく、

メールを入れてみる。



『今日は来てくれてありがとう。

今、どこにいるの?萌香』



淳平くんが
既にアドレスを消していることを想定して、
文末に自分の名前を添えた。


もしかしたら、
メール拒否設定をしているかもしれないと思いながら、

恐る恐る
送信ボタンを押す。

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