あたし、脱ぎます!《完》
「おお!!
萌香ちゃん!!」
オープンカフェで
あたしを見つけた理くんが
手を振っていた。
これから出勤なのか、
光沢のある
グレーのスーツに
黒のシャツを着て、
金色の時計が光っている。
今日のイベントで
“浮いていたNO1”は
理くんだったな。
その横で
少し気まずそう眼差しで、
こちらを見ている
淳平くんが居た。
2人の席に着くと、
「萌香ちゃん♪お疲れ」と
ハイタッチをする理くんに
「ありがとう!」と
ハイタッチで返す。
その横で、
淳平くんも
「お疲れ」と小さな声で言った。
「うん。今日はありがとうね」
あたしは椅子に
腰を下ろし、
カプチーノを注文する。
「それにしても
萌香ちゃんのファンは凄いね!
俺も感動しちゃった」
理くんは
腕時計を光らせながら
興奮気味に言った。
「あたしも
ファンの人と会うのが初めてで、
凄く感動した。
応援してくれる人があんなにいるなんて」
微笑むあたしと
理くんの横で、
コーヒーに
口を付けながら、
遠くを見ている淳平くんがいた。