あたし、脱ぎます!《完》
淳平くんと
メアドの交換が出来た時、
あたしだけに微笑んでくれた。
でも
淳平くんはみんなに優しいんだ。
みんなに笑顔で話している。
あたしだけじゃないんだよね……。
淳平くんが
あたしの傍まで歩いてきた時、
学ランのボタンすべてが
無くなっていた。
その代わりに
重そうにプレゼントを
両手いっぱいに抱えていた。
たくさんの人から
声をかけられ、
握手や写真に応じる淳平くんは
人気者なんだと
再認識する場だった。
肩を落とし、
動けずにいるあたしに
「ちょっと!!」と
背中を叩く声がした。
「……佳代。
駄目だったぁぁぁ」
誰かに
すがりたくて仕方ない。
あたしは
佳代の胸に甘えるように
顔を押し付けた。