あたし、脱ぎます!《完》
新しい教室に入ると、
顔だけは
知っているけど
名前の知らない人がたくさん居た。
出席番号順の席に
腰を下ろすと、
となりで話す男子が
声をかけてきた。
「おお!!
永井さんじゃん!宜しく!!」
親しげというか、
軽々しく話しかける男の子。
学ランのボタンを外し、
中から
シルバーのネックレスを光らせる。
「あ、はい。
ヨロシク……」
とりあえず
第一印象は良くしておかないと……。
「俺、池田浩二。
宜しく!!
浩二って呼んでよ!」
「うん……。浩二くんね」
ニヤついた目は、
決して
好意的なものではなかった。
浩二の前の席に腰を下ろしている男の子も
似たような表情で話しかける。