あたし、脱ぎます!《完》
今回は
クラス替えもしたから、
同じことを考える男子がいてもおかしくない。
核心(カクシン)が
あるわけじゃないけど、
どうして
漏洩(ロウエイ)してしまうんだろう。
個室から出ると、
自分の顔を鏡に映し、
息を呑んだ。
教室に戻ると、
特に変化はなかった。
席に着き、
ケータイを取り出そうとしたとき、
浩二が声をかけてきた。
「永井って、やっぱ凄いね」
「えっ?」
あたしは
ケータイから目を離し、
浩二に視線を向ける。
谷やんと持田くんも
深い笑みを浮かべていた。
「何が凄いの?教えて?」
「いや、だからさ。
……その、ほら。
なあ?」
また言葉を濁し、
二人に同意を求める。
持田くんが目尻を垂らし、
「永井って
バスケ部に彼氏とかいるの?」と
話を逸らした。
「……いないよ。
ね?
それで、何がすごいの?
もしかして、何か見たの??」
あたしの中で
予想は出来ている。
きっと
あれを見たのだ。
そう……
あれを。