あたし、脱ぎます!《完》
あたしの
コンプレックスは
益々、酷くなった。
猫背にして、
なるべく
目立たないように
目立たないように……
心がける。
思春期の
男子の目は
非情なものだった。
体育祭での
長縄跳び、
球技大会のフットサル、
あたしが走っている姿を見て、
あざ笑うかのような声をあげる。
話したこともない男子が
あたしのことを知っていた。
“胸の大きい子”
“巨乳”
それがあたし。
あたしのイメージ゙。
性格ではなく胸なのだ。
あたしは
グラビアアイドルが嫌い。
思春期の男子を
欲情させるネタにしか思えない。
だから
淳平くんがグラビアアイドルを見ていたとき、
凄くショックだった。
佳代は
“男はグラビアアイドルが好き”だと言っていたけど、
淳平くんは違うよね?
あんな澄んだ目で、
優しくあたしのことを見てくれるんだもん。
あたしの顔を見てくれるんだもん。
あたしは
深くため息をつくことしか出来なかった。