あたし、脱ぎます!《完》
運命の出会い
大きな
ハイビジョンTVに
人気アーティストの
プロモーションビデオが流れる街は、
信号が青になると、
たくさんの人が
一斉に歩き出した。
ここは
スクランブルル交差点。
何の躊躇(トマド)いもないまま
進んで行く
同世代の男の子も女の子も、
みんな東京の人なのだろうか。
たくさんの人を
掻き分けて歩く東京で、
淳平くんも暮らしているんだね。
佳代は
念願だった109を目指した。
店内に入ると
色鮮やかな雑貨が目に飛び込む。
「これ!!可愛い!!」
目をキラキラさせながら、
佳代は
ピアスを手に取った。
そして
「これ、どう??」と
指輪をはめて見せた。
意外と
女の子らしい一面を持つ佳代に
「可愛いよ!」と伝えた。
「ホント?
じゃ買っちゃおうかな。
こういうのつけたら……、
女の子ぽくなるかな?」
「……え?」
突然、
志雄(しお)らしいことを言う佳代。
しかも顔が赤い。