あたし、脱ぎます!《完》
佳代は
店員さんに勧められたものを、
次から次へと試着し、
良いと思ったものは
すべて購入した。
その後
メイク道具が欲しいと、
コスメ売り場に向かい、
そこでも店員さんにメイクを伝授(デンジュ)してもらった。
佳代は
今日だけで
一体、いくら使ったのだろう。
両手には、
大きな紙袋が
3つぶら下がっていた。
「佳代?
その辺で良いんじゃない?
山梨でも買えるし。お金あるの?」
「そうだよね。
ちょっと買い過ぎちゃった。
そろそろ帰ろうかぁ」
佳代の満足げな笑みは可愛く、
自信に満ちていた。
誰だって
オシャレをしたら、
気持ちも変わる。
恋にも前向きになれる。
腕時計に視線を落とすと、
既に
17時を回っていた。
今から帰ったら、
20時になってしまう。
急がなくちゃ!!