あたし、脱ぎます!《完》
憧れの先輩
無惨な結果で終わった体育祭も
日が立てば、
皆が忘れてしまう。
高校生の切り替えは
とても早く、
いつまでも気にしているのは
あたしだけだった。
夏も完全に終わり、
涼しい風が
吹き始める9月下旬。
あたしと佳代は
体育館の隅のほうで
バスケ部の練習を眺めていた。
ダムダムダムダムダム………
ドリブルをしながら、
ディフェンスを華麗に切り抜け、
ゴール下で大きくジャンプ!!
軽々と
宙に浮いたボールは、
吸い込まれるように
リングへ入った。
シュッと
網とボールが擦れる音が
その場に響く。