あたし、脱ぎます!《完》



「あ、あたし、

グラビアアイドルは

……嫌です。

水着になるのは
恥ずかしいから……」



うつむいたまま
答えると

「そっか。
恥ずかしいか……」という言葉が聞こえた。


目線を上げると、

真鍋さんは
ソファにもたれ、

腕を組み直した。


お父さんに
目を向けると、

あたしの視線に気づき

「嫌なのか?」と訊いて来る。



嫌に決まっているじゃん!!

あたしの
コンプレックスは胸だよ!!

お父さんは
知らないと思うけど、

中学の頃から
男子に指さされたり、

勝手に胸囲を噂されたり……。

そういうのが嫌なんだ。


水着姿の写真を
見られたら、

何を言われるがわからない!!



「別に
ずっとグラビアアイドルをやって行くわけじゃないよ。

最初は
グラビアからスタートして、

女優やタレントに転身したり……

色々、道はあるんだ。

僕が見る限り、

萌香ちゃんは
グラビアアイドルの素質があると思うんだ」



グラビアアイドルの素質?


胸が
大きいことを言っているの?


そんなの素質じゃないよ。

勝手に大きくなっただけだもん。

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