引きこもり王子
引きこもり王子

01.彼の名は引きこもり王子



8月のある蒸し暑い平日。


この時期は、学生という職業している人…あたしもだがそんな人にとってはいい時期だろう。何せ、休みなのだから


だがやはり最近は何なんだ

地球温暖化という、世界的に有名な環境問題のせいか

"いつもの"と言えるほど記憶は確かではないし、"経験してきた"とも言えるほどでもないが今までの夏比べたらナンバーワンと言ってもおかしくないくらい

今年の夏は暑い


だから一日中、涼しい空間から出ずに休息をとれるのは
…まあ、外で活動している人々にとっては羨ましくもあり、恨みたくもなることだろう


少しだけだが、そんな人々の気持ちが今なら理解出来そうな気がする


涼しい空間からでた瞬間、
一瞬めまいがした

動き出した瞬間から流れる汗は止まることを知らず
さっきまで乾いていた洋服などは気持ち悪いくらいに体にべっとりと張り付いて離れない

近くで五月蝿くミンミンとなく蝉に汗と暑さに対するイライラが足されて殺気がみなぎる


それでもあたしは目的地のあるマンションへと少しずつ進んでいっているのだ

片手にはお土産を持って
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