引きこもり王子


少しして、近くなる足音が聞こえたと思ったらガチャッと大きなドアが少し開いてそのちょっとの隙間から、顔が覗いている

「よーっす、引きこもり野郎!今日はお土産を持ってきてやったぞ!!とりあえず暑いから中に早く入れてくれはしないかい?」

ニコニコしながら一気に喋ってお土産を覗いている顔の目の前に持ってきてやった

「……暇なんだな。毎日、毎日」

「普通、引きこもり野郎って言われたら怒らないか?」

「事実を否定してどうする」


…まあ、確かに言えてるな


「とりあえず入れろ、馬鹿」

「それが人にものを頼む態度かどうか一度考えてみたらどうなんだお前は」


仕方ないじゃないか。それがあたしの生き方だちくしょー


「…なら帰る、これ食べていいからね」

そう言ってドアから手を引っ張り出し、お土産を渡して俯き背を向けた


「…はい、れよ。帰んなくて、いいし」


きた(・∀・)!!←

あたしの作戦は今日も成功したらしい。

あたしは小さくガッツポーズを取ったし、顔は凄くいやらしいくらいにニヤニヤしていただろう。

誰にも見られてないことを祈ろう
< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop