引きこもり王子

「おっ、じゃっまあ〜」

ドアを閉めて靴を脱ぎ捨てた。
ドアを開けてくれた奴は、既にお土産と共に姿を消した

「…早いっつーの」

ボソッと呟いて、後を追うかのようにドスドスと上がり込んだ


―――

「うっはぁー!!涼しい〜」

でも逆に涼しすぎて寒いくらい…

「冷房の温度、上げようぜ〜」

「ヤダね」

言った途端にすぐ答えが返ってきた

…こんなときばっか、即答だし

「寒いんだよ」

「俺は、丁度いい」

「よく言うよ。長袖着ながら」

「……」

あたしは自分でリモコンを探して、温度を上げた

ちっ、と舌打ちが聞こえたが気にしない
よくよく考えてみれば冷房の温度、一度や二度で地球温暖化をどうにか出来たりするんだ

よし、今日から
あたしの部屋の冷房をギリギリまで我慢してつけないことにしよう。

窓でも開けよう

心の中でそう決心した
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