フィルムの中の桜と私
気持ちの置き場
赤坂美由は普通の公立に通う高校三年生。周りの友達はそろそろ進路について悩み出す時期であったが、美由は一人、違うことが頭を占領していた。永い間、ずっと片思いをしているのだ。しかし気持ちは打ち明けられずにいた。それもそのはず、相手は家が二件隣の幼なじみ、俊也だった。
「美由~、まぁた俊也の事考えてるの?」
休み時間、ボ~っと目だけ俊也を追っていた美由に親友の早紀が呆れ顔で聞いてくる。小さな田舎町、早紀も永い付き合いだった。
「ち、違うよっ!」
「いい加減、さっさとコクったら? 普段あんなに憎まれ口叩き合う仲なくせに、いざって事言えないんだから」
「…うん」
「美由~、まぁた俊也の事考えてるの?」
休み時間、ボ~っと目だけ俊也を追っていた美由に親友の早紀が呆れ顔で聞いてくる。小さな田舎町、早紀も永い付き合いだった。
「ち、違うよっ!」
「いい加減、さっさとコクったら? 普段あんなに憎まれ口叩き合う仲なくせに、いざって事言えないんだから」
「…うん」