フィルムの中の桜と私
「…うん。あ、私今日お弁当作ってきちゃったんだ!って言っても朝早く目が開いちゃって暇だったからだけどね。仕方ないから少し分けてあげるよ」
「マジ?サンキュー!なんか美由の料理、すげぇ久しぶりだな」
蓋を開けるとサンドイッチが詰め込まれていた。美由は昔から料理だけは自信があった。料理自体が好きだし、趣味でもあったのだ。俊也のカメラと同じものなのだろうか。
「お~、やっぱ美味しいな! なんか元気が出てくるよ」
「そりゃ良かったわね。一個百円でいいからね」「…金取るの?」
そんな雰囲気で午後は2人で青空を見上げながら話し続けた。
正直、美由は悔しかった。大きな夢を持った俊也を真っ直ぐに応援したかった。でもどこか素直になれず、否定的になってしまう。でもいつか絶対、私は俊也の考え、すごく良いと思うって伝えようと心の中で誓った。
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