フィルムの中の桜と私
「あ、それとも美由、俊也誘う予定?」
気持ちを見透かしたように早紀が聞く。
「い、いや、別にそんな予定ないよ!」
つい声がうわずってしまう。
「じゃ大丈夫だよね、当日6時くらいに迎えに行くから!」
美由は近そうで遠い存在の俊也にどうしようもないもどかしさを初めて感じた。
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