フィルムの中の桜と私
帰り道、美由は部活を終え、一人帰路についていた。時刻は18時過ぎ、五月の空はもう暗くなっている。
「今日も疲れたなぁ…。明日は休みだし、ゆっくり寝よ!」
美由はそんな独り言を呟いた。
家までは割と近く、緩い下り坂が続いている。普段は自転車だが、昨日パンクしてしまったため、仕方なく徒歩での通学となったのだ。
「明日には自転車直さなきゃ。」
美由の家まで後数分、というところで、向こうからぼんやりと自転車で近づいてくる俊也が見えた。
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