【ホラコン】招かれざる同乗者



「カーペットにシミだって?……そりゃ俺も気が付かなかったな、どれどれ……」


営業マンにそう指摘され、Kさんの黒いワゴンのフロアカーペットを見た僕達は絶句しました!
















Kさんの黒いワゴンの後部座席のフロアカーペットには、まさしく人の両足の形そのままにベッタリと赤黒いシミがついていたのでした。


よほど無神経な人間でなければ、他人の車の床にこんなにベッタリと足跡を残すような真似はしません。



まるで血のようなこの足跡の持ち主が誰であるか、Kさんにも僕にもおおよその見当はついていました。


「Kさん……これ……」


僕の言いたい事がわかったのでしょう。


Kさんは腕組みをしたまま、神妙な面持ちでこう呟いたのです……
















「うーーーむ………



幽霊にも“足”があったんだな……」



幽霊よりも、そのKさんの思考回路が一番怖いと思った僕でした……



END



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