1コ下のキミ


顎に手を当て、顔を俺に向かせると、そこには真っ赤になっている郁未がいた。

……真っ赤?


「お前……どうし」

「つ、次!次いこほら!どこにする!?メリーゴ――」

「却下」


いつもの郁未。

でも今日は時々、知らない郁未を見せつけてくる。


何を思って、真っ赤になったのだろう?

いつから真っ赤だったのだろう?


まさか、あの『可愛い』からずっと――?


「龍河くんのオススメは?」

「ない」

「えー……あ!じゃゴーカート行こ――」

「却下。アレさすがに小せぇだろ。変な体勢で痛くなる」

「あ、じゃバイキング行こう決定!」


……有無をいわさず絶叫系へと決まり、俺たちは龍の形をした乗り物へと向かった。
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