1コ下のキミ
もちろん、郁未の顔は固まった。
俺は、言い方を間違えたような、気がする。
これじゃまるで……。
「そ、それって、プロポ――」
「ちげぇもっと浅く!浅く考えろぜってー違うそう言う意味じゃない!!」
「……じゃ、どういう意味よ……」
郁未が、ヘコんだ。
分かりやすく、首をガックリと落としてる。
「だから、その……お前がこれから俺と一緒にいる間は、俺が楽しませてやるってこと」
「一緒にいる間……?」
いまいち分かっていないような郁未。
たぶん……プロポーズと言う言葉で頭がいっぱいなんだろう。
「今日、どうだ?楽しいか?」
「楽しい。遊園地なんて初めてだし、いろいろ発見もあったし、龍河くんもいるし」
「なんだそりゃ」
でも、それでいいんだ。
「郁未、それでいい。過去がそんなんだったなら、未来をもっと楽しめばいい。過去以上に、今を楽しんで、未来の思い出を作ればいい」