1コ下のキミ
「あぁ、事後報告を少しな」
はぁ、心臓止まるかと思った。
あ、デート誘うなら今のタイミングがいいかもしれない。
軽く周りを見渡して、人数と距離を測る。
大丈夫、聞こえないだろ。
俺にだって並の羞恥心はあるんだ。
「お前どっか行きたいとこあるか?」
……あ、この質問はマズイ。
兄貴んとこと言われたら終わりだ!
言われる前に、と、とっさに言葉を続ける。
「2人だけで行きたい所があんだけど」
「え……へ!?」
郁未の顔が赤く染まる。
よし、予定通り!
「まぁ、ほら、遊園地、案外楽しかったから、さ」
「り、龍河くんが誘ってくれるのって、その、初めて……」
「そうだな、今まで邪険にして悪かった。今度からも誘おうかと思ってんだけど」
木岐さんが来る日にな。