1コ下のキミ


そう、まるで――驚いている。

これは完全に自分の目を疑っているような目だ。


そんな目で見ないでみんな。

決めたのが恥ずかしくなるだろ。


――決意。

俺に、決意は、向いてない。


「……龍河くん?」

「……あぁ」


静まっている空気の中、郁未に連れられて自分の席に行く。

みんなの視線が痛い。


そんなに悪いことか!?

コイツと付き合うっつーのはそんなに驚くようなことなのかよ!?


なんだか、そう考えると……悔しくなってくる。

郁未は郁未で、木岐さんとは違う。

不良っつーわけじゃねーし、怖がられるような理由は本人は持ってない。


分かるよ、みんなの感覚だって。

あれだ、金貸しの裏にヤクザがいるのを知っていて寄りつかないみたいな感覚。
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