1コ下のキミ


……あぁ、もしかしたら、子供の頃から木岐さんの部下なんかと仲良くしていたのかもしれない。

川崎さんと話している郁未を思い出す。


それなら、郁未が誰に対しても堂々としている意味が分かる。

さらに言っちまえば、今、郁未という女は最強だろう。

これで恨みを買ったとしたとしても、兄が木岐さんなんていう有名な話のおかげで、郁未は守られるだろう。


教室に入り、授業を受ける。

授業はいつもと変わらず、進行する。

休み時間は、友達に囲まれる。

――そして。


「龍さ、あんなに邪険にしてたのに、いつの間に木岐さんと付き合ったの?」

「あーうっせぇ。寝させろ」


俺にも飛び火してきた。


確かに俺だって嬉しいさ。

郁未の為に我を失ってあんなこと言ったくらいだからな。


でも……最近イライラする。

ここ二日で一気にイライラが増えてる。


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