1コ下のキミ


前よりも話しかけられることが増えたからか?

大体忘れかけてたけど、コイツらみんな一コ下なんだよな。

まぁ留年してる俺が悪いとして、慣れ慣れしくされるとムカつく俺もいるのは確かだ。


でも、本当に前よりイライラが急増してる。

なんなんだ?


昼休み、いつもなら俺は郁未と溜まり場へ行って飯を食う。


溜まり場は俺にとっても郁未にとっても大切な居場所。

木岐さんが来る時は解散が出るが、郁未の時は一切ない。

むしろ噂によると、幻の『集合』がかかっていたらしい。


リーダーの配慮だな。


――でも、俺は聞いてしまった。


「郁未ってお昼いつもいないよね?どっかで食べてるの?」

「バカっ、彼氏とに決まってんじゃない!」

「あ、そっか。そうなの?」

「……え?うん。龍河くんと、他にもいるけどね」

「なんだ、それなら一緒に食べられないのかぁ……」


少しだけ寂しそうな、郁未の笑顔。
< 134 / 157 >

この作品をシェア

pagetop