1コ下のキミ


「あ?イライラ?」


昼休み、やっぱりというか、なんというか、郁未は友達の方をとった。

まぁ、たまにはいいだろう。


そして俺は溜まり場にて由季渡に相談。


いや、出来れば洸稀がよかったんだけど、今日は来てない日だった。


「郁未ちゃんが構ってくれないからじゃない?」

「アイツはいつもムダにかまってくるから違う」

「それが違うってんだよ」


由季渡の言葉が理解できない。

弁当をつつきながら、由季渡の話の続きを聞く。


「つまり俺が言いたいのはだな、いつもいつも自分にだけ向いていたのに、いきなりそれが他人に向いて減った。そこに物足りなさ感じて、イライラすんだよ」

「物足りない?」

「軽傷の嫉妬だな」

「嫉妬!?」


まてまてまて、相手は女――だけじゃないか。

男にも友達はいる。

でも女だっている。
< 137 / 157 >

この作品をシェア

pagetop