1コ下のキミ
キミの隣で
どうやら俺は、郁未に惚れてしまっていたらしい。
というより、ついに、かな。
家に帰り、そのままベッドに入って、かれこれ何回ため息が出たことか……。
正直、不安は、ない。
アイツは完璧なほどに、俺にしか好意を抱いていないことをあらわしてくる。
告白の時だってそうだ。
いちいち俺を連れて、現場に行き、目の前で断る。
郁未には俺の気持ちをまだ言ってないから、好きとは思っていないはずだ。
それでも、本当、きっちりしている。
そういや、最初は名前呼ぶ為だけに俺の心を奪えっつってた気がする。
結局、洸稀に言われたこともあって、先に名前を呼んだな。
1コ下っつって、名前呼んでやって、木岐さんに会って、彼女にして、遊園地行って、俺がクラスで郁未のこと話して……。
結構、いろんなことがあったな。
でも、これだけあって、一番最初にあるべきだった気持ちが、最後に来たのか。
『好き』
郁未にはまだ言ったことがない言葉。