1コ下のキミ


あーもー!!

なんでこう、いざとなると何も言えなくなるんだよ?

モヤモヤする。


分かってる。

告白すれば郁未は喜ぶ。

そんな郁未の姿が目に浮かぶ。


それなのに、なぜかいざとなると逃げ出したくてしょうがないんだ。


「龍、意識しすぎ」

「だって、こうさ、タイミングとかもよくわからないっつーか……なんつーか普通と順番が違うっつーか……」

「お前少女漫画読め。こんな状況わんさかあるから」


少女って、俺は男だぞ……!?

あぁもう、郁未が頭の中ぐるぐるぐるぐる回ってる……。


俺がため息を吐くと、洸稀もため息を吐いた。


「別に場所とか時間とか、関係ないんじゃない?まず何よりも、お前の気持ちを伝える事が優先。木岐郁未ならお前の言葉なら、いつだって喜ぶだろ?」

「分かってはいるんだけど……うーあー!!モヤモヤする!」

「俺の方がじれったいわ!」


どうもうまくいかない。
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